PDF勉強会 (2013-5-24)

2013年5月24日、当法人共催の「PDF勉強会」が慶應義塾大学三田キャンパス東館8階ホールにて開催されました。当日のご報告をさせていただきます。

>> PDF勉強会の開催趣旨・タイムテーブル

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2013524日のPDF勉強会は、慶應義塾大学三田キャンパス東館8階ホールにて入江伸氏(慶應義塾大学メディアセンター本部)による挨拶と問題提起からはじまった。 

本勉強会開催の背景には、PDFファイルの基本構造や関連する規格、そしてバージョンアップにより複雑化する仕様への正しい理解がなされていないこと、加えて教育現場では昨今の電子の流れを受けて本年度から博士論文の電子化提出が実践され、推奨フォーマットであるPDF/Aの理解が急務となった点があげられる。

PDFフォーマットのより深い理解と問題の解決のため、有識者であるお二人をお招きしてお話を頂いた。

松下先生1はじめに松下明男氏(アンテナハウス株式会社)より「PDFの基本構造とPDFへの変換」と題してお話を頂いた。

まずはPDFの仕様について目的を含めた成り立ちのご説明を頂き、次にAdobe AcrobatMicrosoft Officeのアプリケーション、プリンタドライバやスキャナ付属アプリケーションからのPDFの各種作成方法を、利点や注意点をまじえながら具体的にご説明頂いた。

またPDF/Aについて、その特徴と論文の電子化提出に焦点を置いての制作方法、例えばセキュリティーやPDFのオプション機能について発表して頂いた。

発表でもご紹介頂いたPDF作成の製品の詳細についてはこちらをご覧ください。

>> 瞬間PDF統合版
>> 瞬間PDF活用教室

臼井先生1

次に臼井信昭氏(社団法人日本画像情報マネジメント協会・株式会社PFU)から「長期保存としてのPDF規格と最新規格の動向」と題してお話を頂いた。

標準化事業に携わってこられた御経験から、PDF標準化の活動を現在までの国際規格の変遷と規格の特徴をまじえながら長期保存のためのPDF/Aについて述べられた。

また日本語特有の問題であるフォントやUnicodeについてのお話や、バージョンアップによる仕様の変化と複雑化について規格化に際したバージョンの差異を例に説明頂き、PDFフォーマットの規格の問題点と活用方法について幅広いお話を頂いた。

>>当日配布資料1
>>当日配布資料2

最後にPDF勉強会をとおして、情報の交換や印刷の際に非常に便利なPDFであるが、その利用と制作方法の幅の広さと注意点を深く認識することができた。

またバージョンアップと共に多機能化するその仕様をしっかり理解すると共に、情報の共有にわたるセキュリティーのあり方を検証し、方法を提示することも必要になるだろうと感じた。

この場をおかりして、PDF勉強会に御参加頂いた皆様に御礼を申し上げます。

多数の御参加をいただき問題意識が高いこと、また問題の共有の重要性を感じる有意義な場になったと思います。重ねて発表をして頂きました講師のお二人に厚く御礼を申し上げます。

文責:NPO法人デジタルヘリテージデザイン 竹内涼子