ワークショップ「カラーマネジメントフローの実践」開催概要

【挨拶】

昨今、文化財のデジタル化業務でカラーマネジメントの作業手順(ワークフロー)が 確立されていないと感じることはないでしょうか。
その原因として考えられるのは、理論的な知識の不足や機材・ソフトウエアなどの 周辺機器コストの面から意図的に無視されている場合、評価されていないワークフローを 鵜呑みにしている場合など様々だと思います。
またデジタル撮影の場合、ソフトウエアがOSのバージョンアップに対応していなかったり、 機材が生産中止になるなどの撮影環境の変化に加え、経費削減の問題も重なり、 文化財撮影には厳しい環境となっている現状です。
本ワークショップは、慶應義塾大学メディアセンターと斯道文庫で実践している カラーマネジメント手順を紹介しながらそこで感じている問題点を明確にし、 その回答を議論する場として設定しました。また、DNGを使ったカラーマネジメントのワークフローの問題点についても提起します。

議論をより有意義なものにするため、臼井 信昭氏よりICCプロファイルについての理論的な解説と DNGでのワークフローにおける現状の問題について解説していただきます。 またカラーサイエンス・テクノロジーで活動されているx-rite社より、ワークフローに関係 する機材、 ソフトウェアについての解決策、提案をお願いします。その中で浮上する問題をもとに、お集り頂いたみなさまと議論し、問題点の共有と改善を計るきっかけになれば幸いです。

 

【開催概要】

日時:2013年3月8日(金)14時~
場所:慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館5階会議室

1.  主催者挨拶   鷲見洋一(特定非営利活動法人デジタルヘリテージデザイン理事長)

2.「斯道文庫に於けるカラーマネジメント方式と、現在実践可能な各種カラーマネジメント方式による
色再現の簡易評価と比較、その疑問点」  西山洋介氏(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫)

3.「文化財としての書籍のディジタルアーカイブ〜ICCプロファイルとDNGの違い〜」
臼井 信昭氏(社団法人日本画像情報マネジメント協会)

4.「アーカイブ撮影における プロファイルの使用について」
岡松英二氏(エックスライト株式会社)

5.  意見交換会

 

主催:NPO法人 デジタルヘリテージデザイン、慶應義塾大学メディアセンター本部